2008年07月17日
テクノ話②「アンビエント」という世界
SLとはなんら関係のない話、2回目です。
アンビエントの話です。
アンビエントテクノ、アンビエントハウス、アブストラクトアンビエンタル・・・
細かく挙げれば生まれてすぐに無くなった、アンビエント属性のジャンルもあります。
元々僕は、ガバからテクノに入った生粋のフロア志向の曲を作っていました。
でも今は、アンビエント属性の曲ばかり聴いて、尚、作曲もアンビエント属性のグリッチです。
アンビエントの話をしたかったのは、アンビエントを知らない人に「アンビエントいいですよ^^」と
勧めると必ず返ってくる言葉が、「あ~アルファー派出る音楽?」と少し悲しい気分になったからです。
アンビエントとはそのまま「環境音楽」を意味します。それを拡大解釈して作曲しているのが
アンビエント属性のテクノやハウスです。
前記事でも挙げた「バイオスフィア」は売れたいが為に、たった1度だけフロア向けのアルバムを出し
しかもそのアルバムだけが、通常よりも商業成績がよかったと何かの記事で読みました。
しかしバイオスフィア当人は、「今後フロア向けの音源は一切出さない」と公言しています。
彼にとってフロア向けの音源を作ることは、苦痛だったからです。
事実そのフロア向けアルバム(廃盤+僕はカセットでしかもっていない為プリントは解りません)は、
彼の実家で制作されたのではなく、確かロンドンで住んでいたときに、夜な夜なクラブに出かけ
フロア志向の曲に影響されたと記事で読みました。
※ちなみに彼はノルウェーの寒い地方に住んでいます。
実際彼の音源は、他のアンビエントミュージシャンよりも冷たく、寂しい音源です。
彼が見ている風景や環境が、そのまま楽曲になった作品郡です。
本題です。
アンビエントというジャンルの根源に流れているのが、「商業化され、クラブないしスピーカーの前で聴く」
という行為に対するアンチテーゼ、音楽を主体として認識させるのではなく、
「そこにある物のひとつ」であって、音楽そのものが主導権を握るものではないという考えの元で
アンビエントというジャンルは存在しています。
つまり、「存在していないように存在させるもの」なのです。
アンビエントミュージシャンの一人、スキャナーがミシン工場でおこなったインスタレーションでは
実際にミシンを踏んで仕事をしている音やエアーダクトの喚起音、コンプレッサーの稼動音などを
サンプリング(音源として取り込む行為)し、曲の一部としてその場を今までのミシン工場から、
スキャナーが観たミシン工場へと変化させました。もちろんそのライブは、その場だけで行われた
インスタレーションです。
一般に芸術は「商業的に普及」させる事が目的ではないように(ジャンルによっては違います)、
数々の一般的理論に対するアンチテーゼが含まれています。細かくは書ききれないので割愛しますが、
フロア向けのテクノやハウスが「機材とジャンルとオーディエンスとの戦い」だとすれば、
アンビエント、ノイズ、グリッチは大きく括って「一般常識との戦い」と言えます。
アンビエントは「音がそこにあるもので、音がそこ以外には移動しない」という理論を持ち、
ノイズは「メロディの美意識や美意識そのものに対するアンチテーゼ」であり、
グリッチは「音楽そのものに対する疑問を破壊と再構築で表現する」という理論を持っています。
そう上記3つのジャンルはテクノの中でも、突出して偏ったジャンルなのです。
エリック・サティがクラシックの世界で異端視されたように、ジョン・ケージが変人扱いされたように、
数千人に一人、あるいは数万人に一人誕生する異端児が、そのようなジャンルを開拓しています。
趣味もありますのでなんとも言えませんが、アンビエントの世界に是非立ち寄ってみてください。
最悪・・・BGMにはいいと思います。
アンビエントの話です。
アンビエントテクノ、アンビエントハウス、アブストラクトアンビエンタル・・・
細かく挙げれば生まれてすぐに無くなった、アンビエント属性のジャンルもあります。
元々僕は、ガバからテクノに入った生粋のフロア志向の曲を作っていました。
でも今は、アンビエント属性の曲ばかり聴いて、尚、作曲もアンビエント属性のグリッチです。
アンビエントの話をしたかったのは、アンビエントを知らない人に「アンビエントいいですよ^^」と
勧めると必ず返ってくる言葉が、「あ~アルファー派出る音楽?」と少し悲しい気分になったからです。
アンビエントとはそのまま「環境音楽」を意味します。それを拡大解釈して作曲しているのが
アンビエント属性のテクノやハウスです。
前記事でも挙げた「バイオスフィア」は売れたいが為に、たった1度だけフロア向けのアルバムを出し
しかもそのアルバムだけが、通常よりも商業成績がよかったと何かの記事で読みました。
しかしバイオスフィア当人は、「今後フロア向けの音源は一切出さない」と公言しています。
彼にとってフロア向けの音源を作ることは、苦痛だったからです。
事実そのフロア向けアルバム(廃盤+僕はカセットでしかもっていない為プリントは解りません)は、
彼の実家で制作されたのではなく、確かロンドンで住んでいたときに、夜な夜なクラブに出かけ
フロア志向の曲に影響されたと記事で読みました。
※ちなみに彼はノルウェーの寒い地方に住んでいます。
実際彼の音源は、他のアンビエントミュージシャンよりも冷たく、寂しい音源です。
彼が見ている風景や環境が、そのまま楽曲になった作品郡です。
本題です。
アンビエントというジャンルの根源に流れているのが、「商業化され、クラブないしスピーカーの前で聴く」
という行為に対するアンチテーゼ、音楽を主体として認識させるのではなく、
「そこにある物のひとつ」であって、音楽そのものが主導権を握るものではないという考えの元で
アンビエントというジャンルは存在しています。
つまり、「存在していないように存在させるもの」なのです。
アンビエントミュージシャンの一人、スキャナーがミシン工場でおこなったインスタレーションでは
実際にミシンを踏んで仕事をしている音やエアーダクトの喚起音、コンプレッサーの稼動音などを
サンプリング(音源として取り込む行為)し、曲の一部としてその場を今までのミシン工場から、
スキャナーが観たミシン工場へと変化させました。もちろんそのライブは、その場だけで行われた
インスタレーションです。
一般に芸術は「商業的に普及」させる事が目的ではないように(ジャンルによっては違います)、
数々の一般的理論に対するアンチテーゼが含まれています。細かくは書ききれないので割愛しますが、
フロア向けのテクノやハウスが「機材とジャンルとオーディエンスとの戦い」だとすれば、
アンビエント、ノイズ、グリッチは大きく括って「一般常識との戦い」と言えます。
アンビエントは「音がそこにあるもので、音がそこ以外には移動しない」という理論を持ち、
ノイズは「メロディの美意識や美意識そのものに対するアンチテーゼ」であり、
グリッチは「音楽そのものに対する疑問を破壊と再構築で表現する」という理論を持っています。
そう上記3つのジャンルはテクノの中でも、突出して偏ったジャンルなのです。
エリック・サティがクラシックの世界で異端視されたように、ジョン・ケージが変人扱いされたように、
数千人に一人、あるいは数万人に一人誕生する異端児が、そのようなジャンルを開拓しています。
趣味もありますのでなんとも言えませんが、アンビエントの世界に是非立ち寄ってみてください。
最悪・・・BGMにはいいと思います。
2008年07月16日
テクノ話
ひさびさに昔の音源をひっくり返したら、とっても懐かしいものが出てきたので、ちょっとテクノな話でも。
最近、ハウスが少し流行っているんでしょうか?僕はマニアックな方向でいるので、
現状はウトクなってきています:<
そもそも、「ハウス」とは元々がテクノを母体として生まれた「派生形テクノ」と言われていたのを
ご存知でしょうか?
アフリカ・バンバータに*808(国産メーカーのドラムマシン・音楽機材)を渡した事に対して、
デリック・メイが「おいおい!奴に808渡したらエライ事なるぞ!」と言わしめたエピソードは有名です。
そう、現代ハウスの根源を作ったのがアフリカ・バンバータです。
※当時のハウスは現在のレゲエキック(808特有のサスティーンの長いキック)を使うことが主流でした。
※細かく知りたい場合はwikiを参照してください。
そもそも「テクノ」とは「最新機材の試し打ちや、実験の代謝産物的な意味合い」が強く、
テクノ全盛期、つまりデトロイト第2世代ブームと呼ばれた、1990~94年頃がもっとも活発に
いろいろなジャンルが誕生しました。
1990年代初頭は「よりフロア向けな音源」が流行し、ハートハウスが最もパワーを持っていた時代でもありました。その後IDMのリリースでテクノ業界に大きな物議が発生し、所謂「リスニングテクノ」の誕生、もしくは意識づけを決定的にしました。
このIDMに対抗した「バカテクノ」が誕生した経緯もあります。
※バカテクノで名乗り上がったのが、当時無名だったダフトパンクです。
またこの時期やたらと「アシッド」が流行し、テクノ以外の何にでも「アシッド」を付けたものが多かった
記憶があります。
1990年代中期~後期は、完全に混沌状態で、テクノ自体の人気がいっきに下がっていきました。
ガバは完全に当時の神的な輝きをなくし、ネタ系ヤクザテクノと呼ばれ、ミニマム初期の作品はピコピコテクノ等とも言われ、散々なテクノの低迷期だったと思います。この時期に、ライジング・ハイとR&Sが、3大テクノレーベルと言われた2つが解散しました。
しかし2000年に入り、いっきにテクノは飛躍しました。そう、クラックやグリッチというジャンルの成立。
マーカスポップ変名のオヴァール、オーディオスフィアのコラージュ的作品群、日本ではシリコンを筆頭にグリッチの加速化。音響ソフトMAX/MSPの成熟。
これらアンビエント>ノイズ>グリッチと変貌を遂げたジャンルが現代音楽との境を無くし、
よりアートに近寄ったテクノとして脚光を浴びます。
スキャナーの廃工場やミシン工場でのインスタレーションもありました。現代音楽が好きな方は
ステファン・ヴィッテロをチェックです。
またこの時期に、ワープからB.O.Cやクラーク等のUK陣営の出現。スカムのイベント乱発。リーフのアーティスト肥大化。日本陣営だと、プログレッシヴフォームの開設や、ミラ・カリックスが日本以外で人気を博し、アキバ系テクノとも言われるポーラやレイ・ハラカミも成熟。
何よりもクラークの出現は、エレクトロニカでは激震でした。
と長くなりましたが、戯言なので軽く流してください。
最後に僕が今まで聴いた音源で、テクノ初心者にお勧めする、現在入手可能な名盤を数枚挙げます。
※あくまで僕個人の判断です。
・フロア寄り
HARDFLOOR = TB RESUSCIATION (初期ミニマムの名盤。*303を蘇生させたと言う名を持った名盤。アシッドを確立した名盤です)
JEFF MILLS = WAVEFORM TRANSMISSIONS (このアルバムで「トランス」というジャンルが確立されました)
CJ BOLLAND = THE 4TH SIGN (数々のアーティストがカバーしている名盤)
UNION JACK = TWO FULL MOONS & A TROUT (現代トランスのハシリ。これ以上の名曲トランスは今後出てこないだろうと言われています)
・リスニング寄り
BEDOUIN ASCENT = SCIENCE , ART AND RITUAL (IDMの最高峰音源と謳われる名盤)
ORB = THE ORB'S ADVENTURES BEYOND THE ULTRAWORLD (言わずとも・・・オーブ名盤です)
BIOSPHRE = SHENZHOU (現代アンビエントの巨匠)
2 LONE SWORDSMEN = STAY DOWN (エレクトニカの最も入門的名盤です)
そして、B.O.CことBOARDS OF CANADAの全てのアルバムと、
CLARK ことCHRIS CLARKの全てのアルバム。
※少ないですが、テクノ好きな方にはご存知の名盤をあげました。ご参考までに。
*303 = 国産楽器メーカー ROLANDの製品 正式名:TB-303 Bass Line
*808 = 上記に同じく ROLANDの製品 正式名:TR-808 drum machine
この他、番号が正式名称となった製品がこの時期にたくさんでました。
TRシリーズ:505、525、606、707、727、808、909 (606、808、909が最も人気でした)
現在のデジタルマシンの内部音色には、必ずプリセットされているテクノ・ハウスの
リズムの中核をなした音色の機材です。
最近、ハウスが少し流行っているんでしょうか?僕はマニアックな方向でいるので、
現状はウトクなってきています:<
そもそも、「ハウス」とは元々がテクノを母体として生まれた「派生形テクノ」と言われていたのを
ご存知でしょうか?
アフリカ・バンバータに*808(国産メーカーのドラムマシン・音楽機材)を渡した事に対して、
デリック・メイが「おいおい!奴に808渡したらエライ事なるぞ!」と言わしめたエピソードは有名です。
そう、現代ハウスの根源を作ったのがアフリカ・バンバータです。
※当時のハウスは現在のレゲエキック(808特有のサスティーンの長いキック)を使うことが主流でした。
※細かく知りたい場合はwikiを参照してください。
そもそも「テクノ」とは「最新機材の試し打ちや、実験の代謝産物的な意味合い」が強く、
テクノ全盛期、つまりデトロイト第2世代ブームと呼ばれた、1990~94年頃がもっとも活発に
いろいろなジャンルが誕生しました。
1990年代初頭は「よりフロア向けな音源」が流行し、ハートハウスが最もパワーを持っていた時代でもありました。その後IDMのリリースでテクノ業界に大きな物議が発生し、所謂「リスニングテクノ」の誕生、もしくは意識づけを決定的にしました。
このIDMに対抗した「バカテクノ」が誕生した経緯もあります。
※バカテクノで名乗り上がったのが、当時無名だったダフトパンクです。
またこの時期やたらと「アシッド」が流行し、テクノ以外の何にでも「アシッド」を付けたものが多かった
記憶があります。
1990年代中期~後期は、完全に混沌状態で、テクノ自体の人気がいっきに下がっていきました。
ガバは完全に当時の神的な輝きをなくし、ネタ系ヤクザテクノと呼ばれ、ミニマム初期の作品はピコピコテクノ等とも言われ、散々なテクノの低迷期だったと思います。この時期に、ライジング・ハイとR&Sが、3大テクノレーベルと言われた2つが解散しました。
しかし2000年に入り、いっきにテクノは飛躍しました。そう、クラックやグリッチというジャンルの成立。
マーカスポップ変名のオヴァール、オーディオスフィアのコラージュ的作品群、日本ではシリコンを筆頭にグリッチの加速化。音響ソフトMAX/MSPの成熟。
これらアンビエント>ノイズ>グリッチと変貌を遂げたジャンルが現代音楽との境を無くし、
よりアートに近寄ったテクノとして脚光を浴びます。
スキャナーの廃工場やミシン工場でのインスタレーションもありました。現代音楽が好きな方は
ステファン・ヴィッテロをチェックです。
またこの時期に、ワープからB.O.Cやクラーク等のUK陣営の出現。スカムのイベント乱発。リーフのアーティスト肥大化。日本陣営だと、プログレッシヴフォームの開設や、ミラ・カリックスが日本以外で人気を博し、アキバ系テクノとも言われるポーラやレイ・ハラカミも成熟。
何よりもクラークの出現は、エレクトロニカでは激震でした。
と長くなりましたが、戯言なので軽く流してください。
最後に僕が今まで聴いた音源で、テクノ初心者にお勧めする、現在入手可能な名盤を数枚挙げます。
※あくまで僕個人の判断です。
・フロア寄り
HARDFLOOR = TB RESUSCIATION (初期ミニマムの名盤。*303を蘇生させたと言う名を持った名盤。アシッドを確立した名盤です)
JEFF MILLS = WAVEFORM TRANSMISSIONS (このアルバムで「トランス」というジャンルが確立されました)
CJ BOLLAND = THE 4TH SIGN (数々のアーティストがカバーしている名盤)
UNION JACK = TWO FULL MOONS & A TROUT (現代トランスのハシリ。これ以上の名曲トランスは今後出てこないだろうと言われています)
・リスニング寄り
BEDOUIN ASCENT = SCIENCE , ART AND RITUAL (IDMの最高峰音源と謳われる名盤)
ORB = THE ORB'S ADVENTURES BEYOND THE ULTRAWORLD (言わずとも・・・オーブ名盤です)
BIOSPHRE = SHENZHOU (現代アンビエントの巨匠)
2 LONE SWORDSMEN = STAY DOWN (エレクトニカの最も入門的名盤です)
そして、B.O.CことBOARDS OF CANADAの全てのアルバムと、
CLARK ことCHRIS CLARKの全てのアルバム。
※少ないですが、テクノ好きな方にはご存知の名盤をあげました。ご参考までに。
*303 = 国産楽器メーカー ROLANDの製品 正式名:TB-303 Bass Line
*808 = 上記に同じく ROLANDの製品 正式名:TR-808 drum machine
この他、番号が正式名称となった製品がこの時期にたくさんでました。
TRシリーズ:505、525、606、707、727、808、909 (606、808、909が最も人気でした)
現在のデジタルマシンの内部音色には、必ずプリセットされているテクノ・ハウスの
リズムの中核をなした音色の機材です。
